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やめられない、とまらない、伊豆の地元飯

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ガストロノミーツーリズム=その土地に根付いた地元の食事、自然、歴史文化を知る旅のこと。
かつての豪華絢爛な料理が受け入れられていたバブルのころから、少しずつですが昔の伊東の食事や、地元の素材を使った料理を食べたいという欲求が増えてきました。

と、いうことで、地元の人間が、地元に深く根付いた料理を紹介していきたいと思います。

まずは『ジンタ』から。

ジンタ


ジンタとはサイズが2~5cmの豆アジの事で、冷蔵技術が良くなったいまでこそ多少流通しますが、そのサイズゆえ、ほぼ都会には流通しないアジです。

しかしこれが滅茶苦茶おいしい!
伊東でも初夏から夏にかけての時期にしか食べられません。

唐揚げ粉をつけて揚げるだけの、いわゆる、家庭料理、漁師料理の類ですが、骨まで柔らかく、頭から丸ごと食べると、魚のうまみが凝縮された味が口いっぱいに広がります。特にビールとの相性は最高です!

枝豆か?ジンタか?ぐらい、やめられないとまらない状態が続きますww

伊豆各地で気の利いた居酒屋ならみんな出していると思いますが、最近はそういうところが減ってなかなかお目にかかれなくなりました。

基本的に高級旅館は出しません。なんといっても家庭料理の類なので、、、

一手間かけて南蛮漬けにする場合もあります。
こちらはたまに旅館でもでることがありかな、、、、

金目の煮付け

それは知っていると思った方、そうですね伊豆といえば金目の煮付けです。

しかしながら、その金目の煮付けにも地元ならではの食べ方があります。ちょっとお行儀が悪いのですが、そのタレをご飯にかけて食べるのが地元の人間の食べ方です。人前ではちょっとやりにくいんですけどね、でも本当においしいので、その誘惑に勝てずやってしまいます。

そしてさらに『骨湯』と言って、残った骨をタレと一緒にお椀にいれてお湯でわって飲みます。骨の部分から出汁がさらにでて、濃厚なお吸い物になります。


それでも余ったタレはタッパーにいれて保存しておきます。そうするとにこごり状態になるので、それを次の日に熱々のご飯に載せて食べます。

ご飯の熱で煮こごりがとけて、やっぱりタレかけご飯になります。
人によってはそこに生卵をかける人もいます!かなり贅沢な究極のTKG(卵かけご飯)

金目鯛は今でこそ高級魚ですが、流通が発達していない30から40年前は「また金目かあ、、、」とうんざりするぐらい伊東の食卓にあがる魚でした。

今では本当に高くて地元でも御祝いの時ぐらいしか食べなくなりました。

アジのタタキとまご茶漬け

アジのタタキは伊豆が発祥といわれています。
アジのタタキをあつあつご飯にのせて、出汁をかけたものを『まご茶漬け』といいます。
「マゴマゴするな!」が名前の由来といわれるほど、魚が煮えたら死ぬほどまずい料理です。提供されたらおしゃべりを一切止めてすぐ食べないといけません。

熱々のお出汁と、ちょと冷たいアジのタタキが口のなかで混ざりあい、えもいえぬ味わいを創り出します。
ぜひ、お試し下さい。

余談ですが、伊豆ではアジは基本的に生姜で食べます。なので、刺身の盛り合わせが提供されるさいに小皿が二つ出されることがます。
大抵の観光客の方は「?」となるのですが、当然ですねww


正解は一つは生姜で、一つはわさびでの意味です。

メボウ(カラスとトンビ)


伊東に来たら食べてもらいたいものの一つ、イカの口の干物のことです。
焼いたものはコリコリしていて噛むとじゅわっと旨みがとびだし、日本酒にとてもあいます。
軟骨を抜いたものと抜いていないものがあり、軟骨のその形状から「カラスとトンビ」とも呼ばれます。
今、後期高齢者となっているかつての伊東のお父さんたちも今のお父さんだちも、これをつまみにお酒を飲んでます。
宴会の後には軟骨が山積みになっていました。

アレンジを加えて、フライにしたり、かき揚げの中にいれたりすることもあります。これもおいしい!

しったか

地元の人間はさざえより珍重している貝です。
肝の部分の苦みがサザエより少なく、子供でも食べられます。

昔は安かったので宴会といえば必ずと言っていいほど出てきましたが、今はサザエより高いので中々でてきません。

そぼろ(箱寿司)

流通が今のように発達していない昭和の30年とか40年ごろ、食べ切れない魚をよく主婦たちはそぼろにしていました。

どの魚でもつくるのですが、やはりその土地ならではというのがあり、宇佐美や伊東は『鯖』のおぼろ、伊豆高原(地元名は八幡野【やはたの】)そこではヤッパタという深海魚が主でした。
今ではほとんど作られる風習も無くなりましたが、街中のお祭りの時はそれが箱寿司になったりします。
びっくりするほどおいしいものでは無いですが、伊東の人間にとってはソウルフードです。

まんぼう

これはまず都会には流通しません。
なぜなら、何時間かすると溶けて水になってしまうからです。

味わいはというと、とても淡泊。
なので肝にあえて醤油につけて食べるのがにあえて食べます。

わざわざ捕っているわけではなく、網に間違えて入ってきた時だけ食べられる伊東の味です。

青唐タタキ

青唐辛子がある時期だけしかできない漁師飯の一つ。
魚と青唐辛子を一緒に叩きます。

ぴりっと辛く、醤油の塩気と相まってお酒がとまらなくなります。
どんな魚でもやりますが、伊東ではソウダガツオやアジなどが多いです。

いかがですか?
どれも地元に根付いた料理ばかりです。

ぜひ、伊東に来て楽しんで下さいね!